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百合 庸介
no journal, ,
極限まで冷却された荷電粒子ビームはクーロン結晶化することが知られ、クリスタルビームと呼ばれている。これは、個々の粒子間のクーロン斥力と人為的な外部集束力がバランスした状態であり、冷却を取り除いても安定である。本研究では、クリスタルビームの安定性の蓄積リングやビームの条件に対する依存性を分子動力学シミュレーションを用いて解析した。京都大学の蓄積リング"S-LSR"で行われているレーザー冷却実験と同一の条件(運動エネルギー35keVのMgイオンビーム)を想定し、エミッタンスの増加率(加熱率)のビーム電流値やベータトロンチューンに対する依存性を評価した。プラズマ結合係数を用いてビームの加熱率を表すと、付近において、すなわち、気体-液体相転移点近傍においてイントラビーム散乱による加熱率が極大になることがわかった。の領域では、ラティスに誤差がない場合、加熱率は減少するが、誤差が有限の場合には、誤差の大きさとビーム線密度に依存して加熱率は増加に転じ、クリスタルビームの安定性は低下することが明らかになった。
千葉 敏; 小浦 寛之; 丸山 敏毅; 太田 雅久*; 龍田 さゆき*; 和田 隆宏*; 橘 孝博*; 梶野 敏貴*; 住吉 光介*; 大槻 かおり*
no journal, ,
r過程元素合成に遅延核分裂を導入し、核分裂の有無,核分裂片質量分布(対称:非対称)による生成される核種収量の違いと、それが宇宙時計やr過程サイトの物理条件の制限に与える影響を議論する。
錦野 将元; 山谷 寛; 助川 鋼太; 永島 圭介
no journal, ,
光量子ビーム利用研究ユニットの高コヒーレント軟X線レーザー(波長13.9nm)は、単色性・高輝度・短パルスという優れた特性を持つため、X線顕微鏡,X線スペックル計測やX線干渉計測などの応用研究への利用が期待されている。この高空間コヒーレント軟X線レーザーを位相型フレネルゾーンプレートにより集光し軟X線サブミクロンビームの生成を行った。ナイフエッジスキャン法を用いて生成したビーム径の計測を行った結果、集光径は300nm(半値)程度でほぼ回折限界まで集光していることを確認した。このときの集光強度は約2E12W/cmと見積もられ、実験配置・X線レーザーの出力により約1E13W/cm程度まで集光強度を上げることができると考えられる。今後、このX線サブミクロンビームを用いることにより金属や生物細胞への局所照射やX線フーリエ変換ホログラフィ等への応用研究への利用を計画している。本発表では、フレネルゾーンプレートを使用したX線レーザーの集光実験の結果について述べる。
阿達 正浩; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 鳴海 一雅; 山田 圭介; 金子 敏明*
no journal, ,
高速クラスターイオンは電子的な衝突を介して物質と相互作用する。このこととクラスターの多体衝突効果とを合わせて考え、電荷状態とクラスター構造との関係を明らかにすることで相互作用解明へとつながる知見が得られると期待した。そのためにわれわれはクーロン爆発イメージング法を利用してクラスター構成イオンの相対位置を拡大して観察し、同時に構成イオンの電荷状態も測定するシステムを開発した。この方法で構造を選別するためには薄膜内部での散乱に伴う相対位置のずれを評価する必要がある。そこで、直線構造と三角構造のCクラスターについて、薄膜透過後の相対位置と各構成イオンの電荷を取り入れた粒子軌道計算コードを開発し、測定システムに対する軌道計算を行った。このコードでは、拡大後の各イオンの位置の重心からの距離を用いて、原点付近で三角構造の割合が、周辺では直線構造の割合が高まるような平面上の点に変換する方式を考案して取り入れた。その結果、原点を中心とした円形領域を設定することで構造選別の精度の評価が可能となり、これに基づいて選別の規準を設定した。
安居院 あかね; 池田 直*; 森本 昌規*; 魚住 孝幸*; Kaamber, T.*
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三角格子電荷フラストレート系RFeO(R=希土類)中ではFeイオンは系全体の平均ではFeと見なしうるが、LuFeO中でFeは2価と3価をとるがFeをCoに置き換えたLuCoFeO中ではFeは3価のみになり、Gaに置き換えLuFeGaOでは2価のみになる。これらの化合物のFe3d2p発光分光測定を行い、Feイオンの電子状態を2価と3価を区別して測定することを試みた。測定結果はLuFeO中でFeとFeは強く相関した状態にあることを示唆した。
五十嵐 誉廣; 尾形 修司*; 加治 芳行
no journal, ,
本研究は、応力腐食割れ(SCC)進展挙動のような非線形領域の動的変化が生じる系に対し、計算効率の良い原子・連続体ハイブリッドシミュレーションを行うための新しい手法の開発を目的とする。非線形領域の動的変化に対応するためには、原子領域と連続体領域が相互変換できることが望ましい。そこで(1)原子連続体変換時の内部エネルギー変化の履歴保存,(2)連続体原子変換時の拘束条件付き構造緩和,(3)連続体原子変換時のホワイトノイズを用いた内部エネルギーの還元、の3つを組合せた原子・連続体相互変換手法の開発を行った。本手法を1次元線形ばねモデルに適用して短時間のシミュレーションを行った結果、エネルギーを保存したまま原子系と連続体系が相互変換できることを確認した。
下山 智隆*; 東條 壮男*; 川路 均*; 阿竹 徹*; 深澤 裕; 井川 直樹
no journal, ,
Sc添加BaZrOは、加湿雰囲気で高いプロトン伝導性を有し、また化学的安定性も高いことから、中温型酸化物燃料電池用電解質への応用が期待されている。本報では、BaZrScO中のプロトンの位置及び伝導経路の解明を目的に、粉末中性子回折実験を行い、Rietveld法と最大エントロピー法によって結晶構造を解析した結果について報告する。
徳永 陽; 鈴木 博之*; 酒井 宏典; 神戸 振作; 中堂 博之; 本間 佳哉*; 青木 大*; 塩川 佳伸*
no journal, ,
多極子研究において、NMRは極めて有用な測定手段の一つである。PrPbは結晶場基底状態に非磁性二重項を有し、0.4K以下で非整合な長周期反強四極子秩序の出現する。われわれはこのPrPbの長周期反強四極子秩序及びその磁気励起についてより詳しく調べるため、PrPbのPrサイトの一部をLaで置換したPrLaPbにおいてNMRによる研究を行っている。講演ではその最新の研究成果について発表する。
林 誠*; 金井 貴志*; 山田 貴洋*; 藤下 豪司*; 井川 直樹; 木原 國昭*
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変位型構造相転移の秩序変数である原子変位と格子歪の相転移近傍の温度変化はランダウポテンシャルを用いた現象論で説明される。一方、Saljeにより量子論的に拡張されたランダウポテンシャルを用いることで相転移点以下の全温度領域で現象論的記述が可能であることが示された。本報告では石英の結晶構造の温度変化を中性子回折実験を用いて解析し、原子変位の温度変化がこの拡張現象論で説明できることを検証した。
瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 原田 秀郎; 永井 泰樹; 小泉 光生; 初川 雄一; 深堀 智生; 北谷 文人; 大島 真澄; 堤 正博; et al.
no journal, ,
原子力研究開発機構にある4MVペレトロン施設にて発生するkeV-MeV領域の中性子を用いると、天体核及び核データ取得に極めて有効なエネルギー領域での中性子捕獲反応断面積を測定することができる。本研究では同施設に高精度で断面積が決定できる測定システムを構築するため、9インチの大きな立体核を持つアンチコンプトン型NaI(Tl)検出器を設置し、既知の断面積を持つ試料からの即発線をTOF法により検出することで測定システムの精度を検証した。その結果、NaI検出器はE=662keVで7%程度と優れたエネルギー分解能を有すること、さらにエネルギー10-90keVを持つ中性子による原子核の捕獲反応断面積は高い信号対雑音比で測定可能であることが判明し、今後の研究に向け大きな成果を得た。
下山 巖; Li, X.*; 嶋田 行志*
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単層カーボンナノチューブ(SWNTs)の応用に対し、配向制御は極めて重要な課題である。近年、化学気相蒸着法(CVD)により成長したSWNTsが単結晶表面のステップ列や一次元原子配列に沿って配向することが報告された。この方法はSWNTsの大規模配列を実現する方法として興味深いが、その配向メカニズムは十分明らかになってはいない。われわれは配向メカニズムを調べるため、CVD法を用いて石英単結晶上にSWNTsを合成し、ラマンスペクトルの偏光依存性を測定した。ナノチューブのGバンドには、高周波数側のGバンドと低周波数側のGバンドが観測された。両者の偏光依存性は定性的に似た傾向を示したものの、GバンドはGバンドよりも大きい偏光依存性を示すことが明らかにされた。偏光条件の違いによるGバンドのスペクトル形状変化はこの偏光依存性の違いを説明できず、異なる振動モードの偏光依存性の違いがこの現象の主要因ではないことを表している。われわれはストークスとアンチストークスラマンスペクトルの比較,合成条件の異なる試料の比較,共鳴励起条件の異なるスペクトルの比較を行い、観測されたGバンドとGバンドの偏光依存性の違いが半導体SWNTsと金属SWNTsの配向の違いに起因すると結論した。この結果は半導体SWNTsの選択的配向が石英単結晶表面上で生じている可能性を示唆している。
石川 法人; 河裾 厚男; 高垣 昌史*; 鈴木 基寛*; 水木 純一郎; 図子 善大*; 藤田 直樹*; 堀 史説*; 関 修平*; 佃 諭志*; et al.
no journal, ,
Fe-50at.%Rh合金を高エネルギーイオン照射することにより磁性変態温度が変化する現象をすでに見いだしているが、その振る舞いを磁気力顕微鏡観察によって、より詳細に調べた。その結果、照射後に微細磁気構造が観測されること、それが照射量に依存して変化すること、またFe-richな強磁性Fe-45at.%Rh合金と異なる磁気構造を持つことがわかった。
深谷 有喜
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物質最表面の原子は、真空側に結合すべき原子がいないため、多数の不対電子が存在する。このため表面原子ではエネルギーを最小にするように自発的に再配列が起こり、結晶内部(バルク)とは異なった超構造が形成される。表面超構造を精度よく調べるためには、バルクからの影響を抑えるなど、高い表面敏感性を持った手法が必要である。そこでわれわれは、陽電子回折を用いて最表面超構造の研究に着手した。陽電子は、電子の反粒子であり、電子と同じ質量,スピンを持つが、プラスの電荷を有する。結晶の表面に浅い角度で入射する場合を考えると、結晶のポテンシャルが障壁として働くため、陽電子はバルクに進入せず、結晶の最表面ですべて反射される。これは全反射と呼ばれる現象であり、表面の構造や物性を調べるうえで非常に有力である。本講演では、表面研究の分野では新たな研究手法である反射高速陽電子回折(RHEPD)を用い、最表面に構築される一次元,二次元といった低次元系の構造と相転移について得られた結果を紹介する。
深谷 有喜; 橋本 美絵; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
荷電粒子が結晶に入射すると、さまざまな非弾性散乱過程を経てエネルギーを失う。結晶表面での回折を考えると、電子ビームの場合、表面プラズモンが主要な非弾性散乱過程であることが知られている。また理論的には、入射角が浅くなるにつれて、表面プラズモン励起の平均励起回数が増えることが指摘されていた。最近では、反射高速電子回折(RHEED)を用いて実験的にも検証され、理論で指摘された関係におおよそ従うことがわかり始めている。一方、電子の反粒子である陽電子では、このような研究は行われていない。われわれは、陽電子ビームの結晶表面における非弾性散乱過程を調べるためにエネルギー分析器を製作し、反射高速陽電子回折(RHEPD)装置に組み込んだ。本研究では、障壁グリッド前段に静電型の円筒レンズを置くことにより、透過強度の増大と分解能の向上を図った。ビーム軌道のシミュレーションでは、広い入射角において回折ビームが平行化し、障壁グリッドに対して垂直に入射することを確認した。講演では、エネルギー分析器の分解能試験と全反射条件下におけるSi(111)-77清浄表面からのエネルギー分析スペクトルの測定結果について報告する。
水野 文夫; 菅井 孝志; 金子 耕士; 目時 直人; 芳賀 芳範; 青木 大*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸*
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NpInは圧力誘起超伝導体CeInと同じ立方晶AuCu型の化合物である。T=14KとT=10Kにおける強磁性及び反強磁性秩序や、磁化測定により、磁場中においてこれまで知られていなかった磁場誘起秩序相(AF+FM)が知られている。前回われわれはAF+FMでの磁気ピーク(0.5 0.5 0)及び(0.5 0.5 1)を報告した。しかし磁気構造を決定するまでには至らなかった。今回、横磁場マグネットを用いてQ=(0.5 0.5 0)の反強磁性成分に関する実験を行った。行った結果、磁場に対してQを垂直に向けている場合、磁場をかけると磁気ピークが立ち上がることがわかった、一方、平行に向けた場合、磁気ピークは立ち上がらないことがわかった。Qと磁気モーメントにはそのなす角をとするとQ sinの関係があるため、反強磁性の変調が磁場方向に平行であることがわかった。すなわち、磁場方向に対して、磁気モーメントが伸びたり縮んだりするという磁気構造が安定であるという結論が得られた。
菅井 孝志; 水野 文夫; 浄念 信太郎*; 金子 耕士; 目時 直人; 芳賀 芳範; 青木 大*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸*
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Np-115は遷移金属を変えることで多彩な磁気構造をみせる。NpFeGaは、Q=(1/2 1/2 0)で2段に磁気秩序を示す反強磁性体であり、ユニークな特徴としてNpサイトだけでなく、Feサイトにも磁気モーメントが存在する。磁気形状因子の解析結果から、Feに軌道磁気モーメントが存在する可能性があることがわかった。本来、凍結されているはずのFeの軌道磁気モーメントが結晶中では誘起されているならば、非常に興味深い。
佐藤 智宏*; Jarrige, I.; 石井 賢司; 稲見 俊哉; 水木 純一郎; 備前 大輔*; 村上 洋一*; 宮坂 茂樹*; 藤岡 淳*; 十倉 好紀*
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放射光X線を用いたX線共鳴非弾性散乱実験をバナジウムのK吸収端について行い、Mott絶縁体として知られるYVOのMottギャップを観測した。さらに、MottギャップのQ-依存性、及び偏光依存性を測定した。温度200K以下でスピン、及び軌道秩序を示す本系における、共鳴非弾性散乱スペクトルの温度変化について紹介する。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
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充填スクッテルダイト化合物PrOsSbにおいて、非調和熱振動やオフセンター振動の存在が指摘され、超伝導の発現や重い電子状態の形成との関連が議論されている。これまでに、室温におけるPrの分布は、調和振動子から大きく外れた台形型の分布で、その半値全幅は0.6と非常に拡がっていること、また異方性を有することを明らかにした。一方、低温の8KにおけるPrの核密度分布は、Os, Sbと比べて拡がっているが、最大密度はカゴの中心にあり、等方的で、調和振動子的な分布を持つことを見いだした。今回、この熱振動の顕著な温度変化の詳細を明らかにする目的で、50Kから250Kまでの単結晶中性子回折実験及びMEM解析を行った。Prについて、50Kでは8Kと同様に等方的でガウス型の分布を持つ一方、100K以上では分布の裾に異方的な拡がりが現れることを見いだした。これよりPrOsSbにおけるPrの熱振動の特徴的なエネルギースケールが、100K前後に存在すると考えられる。一方、Prを囲むカゴを形成するSbの位置には、8Kから室温の間で顕著な温度変化は見られていない。
余語 覚文; 小倉 浩一; 匂坂 明人; 織茂 聡; Ma, J.-L.; 森 道昭; 西内 満美子; Pirozhkov, A. S.; Esirkepov, T. Z.; Bulanov, S. V.; et al.
no journal, ,
集光強度W/cmのレーザーを厚さ7.5mポリイミド薄膜に照射し、最大エネルギー3.8MeVのプロトンを得た。2次元Particle-in-Cell(2D PIC)コードにより、電子密度が臨界密度(cm)近くまで低下したターゲットを仮定したシミュレーションを行った結果、ターゲットに入射したレーザーは自己収束を起こしながらイオン密度フィラメントを形成し、ターゲットの裏面側に十分に持続した加速電場を発生させることが明らかになった。
神戸 振作
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5f電子系であるアクチノイド化合物は、遍歴と局在,多極子秩序,量子臨界,異方的超伝導などの多くの重要な現象が現れる貴重な研究対象である。ここでは電子相関に加え、軌道自由度も顕わに電子物性に関与するので多くの挑戦的課題が残されている。一方、NMRは低エネルギーの磁気及び電荷励起をプローブできるので、これらの課題解明には絶好の測定手段である。本講演では、われわれASRC-NMRグループがこれまでに行ってきたNMRによるこれらの化合物の特異な磁性と超伝導の研究について述べる。